クリニック院長セミナー「平成26年度診療報酬改定とクリニック経営」

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※講師は予告なく変更になる場合があります。ご了承ください。

講師インタビュー

Part1 クリニック経営に必要なマーケティングとマネジメント

──今回は、「クリニック経営に必要なマーケティングとマネジメント」と題しましてお話いただきます。ポイントをお聞かせください。

まずは、今回のセミナーのメインテーマが診療報酬改定ですから、診療報酬改定がクリニック経営にもたらす影響について話ししたいと思っています。点数とルールと査定、これが医院の売上と利益に大きく影響するわけですが、診療報酬改定は、単に診療報酬の面だけに影響があるだけではありません。実は、診療報酬が改定されることで、診療の内容や実施する検査や手術の頻度等を調整する必要性が出てきます。現場は、レセプトが通るか通らないかで診療内容を変更せざるを得ないわけです。しかし患者さんにとっては検査や治療の回数が変わる理由がわからない。ですから、診療報酬改定の時期は、患者さんとのトラブルが最も起きやすい時期でもあります。その辺り、患者さんの誤解を生まないように、あるいは、これまでの治療が無駄だったとのではないか等の疑念を持たれないように、今からきちんと準備をして、患者さんときちんとコミュニケーションをとっていく、その準備をしておく必要があるわけです。

──渋谷先生の講演も、そのあたりに注意して聞く必要があるわけですね。

これから先、高齢化と国の財政問題の点から、診療報酬が上がることは基本的にないでしょう。また、診療報酬算定の細かなルール上には、現場からすると少し理不尽な部分も出てくるわけです。しかし、いかに現場の現実に則してない改定であっても、それに振り回されて患者数まで減らす結果になってしまうと、診療報酬という「単価」が減るだけでなく、「患者数」まで減ることになり、クリニック運営にとっては大きな打撃となります。今のうちからそうした視点で今回の診療報酬改定をチェックして、対応を検討しておくことが大切です。

──マーケティングとマネジメントに関してはいかがですか。

理想とする診療を継続発展するにはどうすればよいかを、医療におけるマーケティングとマネジメントという視点で再定義してみたいと思っています。つまり、経営強化のためにマーケティングとマネジメントを活用する、ということですね。その上で、3つめのポイントになりますが、データを元にしたクリニック運営の重要性についてお話します。医師は検査結果、つまりデータを元にして戦略を立てて治療を行うことを生業としているので、データに基づく戦略を立て実効するのは得意なはずなんですが、話がクリニック経営となると、どうもデータを軽視する、あるいは見ないで感覚で済ませてしまう傾向があります。しかし、医療同様、クリニック経営においてもデータは大変重要です。今回は、私が経営しますクリニックのデータをお示ししながら、いかにクリニック経営にとって数字は重要であるかをお話したいと思います。

──クリニックを運営しながら経営に関するデータもしっかり管理するとなると、考えただけで大変そうです。

医師のみなさんの中にも、そうした誤解をされている方が意外と多いんです。しかし、クリニック運営に関するデータを集積、分析し活用することは、実はそれほど難しいことではないんですね。エクセルを使って簡単な日報を継続して蓄積していくことだけでも、するとしないとではクリニックの将来に大きな違いが出てきます。それに、今は本当にICTが進化していますから、進化したツールを賢く活用できれば、とても手軽にさまざまなメリットを享受できます。手前味噌になりますが、私どもがご提供している「3Bees(スリービーズ)」というサービスも、大変使いやすく、しかも無料でお使いいただけるものとなっていますので、この機会にお手に触れていただき、ご参考にしていただければと思います。

楊浩勇(Hao-Yung Yang)yang.ne.jp
慶応義塾大学医学部卒、医師。同大医学部医療政策・管理学教室で病院マネージメントと医療情報の研究を行い、マイクロソフト等の出資を得て医療ITベンチャーを創業。電子カルテ等医療関連のIT事業を始める。同社をソフトバンクにM&Aし、米医療IT大手WebMDの日本法人の設立を手がけ同社取締役に就任。同社退任後、医療法人健究社を設立、日医総研客員研究員としてORCAプロジェクトに参画。その後、Harvard School of Public Health研究員を経て、2007年に株式会社メディ・ウェブを創業。日本アルトマーク社長を経て、現職就任。慶應義塾大学部非常勤講師、福島県立医大非常勤講師、医療法人健究社理事長を兼務。

Part2 WindowsXPサポート終了間近!マイクロソフトが描く医療クラウドとは?

──まずは、今回のセミナーのポイントを教えてください。

今回のセミナーでお伝えしたいポイントは、大きく3つあります。まずひとつめは、弊社の医療クラウドのビジョンのご紹介です。医療機関さまでは意外と認知されていないかもしれませんが、実は私どもの技術はすでに、医療機関さまのシステムの大きな部分をサポートさせていただいております。今後は、クラウドの技術を通じて、クリニックを運営していらっしゃいます皆様にも、さらなる利便性をご提供できるのではないかと思っています。ポイントの2つめといたしましては、安全性です。私どもの技術力の高さは、単に使いやすさや利便性のみならず、安全性の面でも非常に強固なものを築いているということです。先日発表いたしました通り、私どもでは西日本と東日本にWindows Azureのデータセンター日本リージョンを立ち上げることになりました。これは、万が一片方がダウンした場合でも高速で切り替えることが可能で、常にすべてのデータが相互にバックアップされています。こうした安全性の高いクラウド環境をご提供することで、医療機関様においても安心してクラウドサービスの利便性をご活用いただけると考えています。

──診療の現場で活用できるものとしては、どのようなサービスをご提供されているのでしょうか。

弊社は、「Office365」というクラウド型の新しいOfficeをご提供しています。これは、単にOfficeの新バージョンということではなく、複数の端末でお使いいただけたり、クラウドに保存領域を持ちグループでファイルを共有できたりといった形で、最新のOfficeにクラウドの利便性を掛けあわせたサービスとなっています。ニチイ学館様とは、「メディクラウド」というOffice365を標準装備し医療機関に特化したグループウエアをご提供しておりまして、文書や日報の管理、スタッフ間の連携、業務におけるコミュニケーション等に、弊社のタブレットも併せまして活用いただければと思っています。
これらのサービスに関しましては、当日展示会で現物に触れ、お試しいただけますし、導入に際しての疑問点など、なんなりとご相談いただければと思います。

──そして、最後にWindows XPのサポート終了についてですね。

はい。これに関しては、サポートが終了してもパソコンは使えるんだからいいんじゃないか、あるいは、アンチウイルスソフトが入っているから大丈夫とおっしゃる方もいらっしゃり、大変誤解が多いのが現状ですので、特に、現在XPをお使いいただいている方に、今後のWindowsの安全なご活用方法について具体的にお伝えできればと思います。また、今回のセミナーでは、こうした話題と併せて、マイクロソフトの現状や最新のITを取り巻くトレンドについてもご紹介させていただきます。

宮崎翔太(Shota Miyazaki)
2006年 マイクロソフト株式会社入社。 法人営業、戦略企画推進部、大手代理店営業を経て、現在は全国の医療機関/社会福祉法人/自治体/公益法人向けテレセールス部隊の統括業務、新規ビジネス開発及びマーケティング業務に従事。現在、日本マイクロソフト株式会社 SMB営業統括本部 公共インダストリーマーケティング部 インダストリーマーケティングマネージャー。

Part3 必見!平成26年度いsん両報酬改定の動向について〜クリニック経営を見据えた対応・算定を行うために〜

──今回の診療報酬改定のポイントを簡単にお聞かせください。

今回の診療報酬改定は、今後の方向性が打ち出されており、ポイントはいくつもあるのですが、その中でも大きなものは、「地域包括ケアシステム」構想の導入、そして、消費税への対応でしょう。

──「地域包括ケアシステム」とは、一体どのようなものなのでしょうか。

地域の内科・小児科の診療所にかかりつけ医となってもらい、かかりつけ医がいわばハブとなって地域の他の診療科のクリニックや病院、また、介護施設とも連携して、中核病院だけではなく地域の医療施設・介護施設等が連携して住民の健康を支え、病気をケアしていこうという構想です。

──この「地域包括ケアシステム」は、診療報酬にはどのような変化をもたらすのでしょうか。

この構想を実現するために、今回は①医療との連携強化、②介護サービスの充実強化、③予防の推進、④見守り、配食、買い物など、多様な生活支援サービスの確保や権利擁護など、⑤高齢期になっても住み続けることのできる高齢者住まいの整備という大きく5つの視点での加点が導入されました。地域包括ケアシステムという構想自体はまだ緒についたばかりで、自治体や医師会、医療法人によって取り組みには大きな隔たりがあります。ただ、今後こうした、かかりつけ医を中心とした地域の医療連携はますます強化されていく見通しです。ですから、それぞれのクリニックが、診療報酬の加点を上手く活用していく視点を持つこと、あるいは、新たな診療報酬体系が実現した際の患者さんのフローを踏まえた上で、他の医療施設、介護施設との連携を含めた主体的な取り組みを少しずつでも行っていくことが、将来のクリニック経営を大きく左右すると思います。今回のセミナーでは、こうした構想を念頭に、クリニックの先生方が実際に活用しやすい加点などについても、お話しさせていただく予定です。

──そして、もう一つのポイントは「消費税」ですね。税率引き上げまで、わずか1ヶ月となりました。

今回の診療報酬改定では、「消費税8%への引き上げに伴う対応」として、初診料、再診料、外来診察料等の消費税相当分の点数の上乗せがございます。しかし”相応分”とは言うものの、もとより医療費自体は非課税ですし、5%の今もどこにどの程度の消費税の負担が生じているのか不明確な中で、「この程度プラスにしておけばまあ大丈夫じゃなかろうか」という半ば目分量でプラスの改定をしたというのが、今回の改定の実態だと思います。

──消費税増税分はプラス改定された分では吸収しきれない部分もある、ということなのでしょうか。

現在、セミナーに向け細かな試算を行っているところですが、その可能性は十分にあると考えています。また、当日はクリニックの先生方にご活用いただそうな加点のポイントに加え、中医協でのやりとりを直に拝見していく中で垣間見られた診療報酬改定の内幕も、先生方にお話しできる部分はお話しさせていただきたいと思います。

──当日が本当に楽しみです。ありがとうございました。

渋谷英一(Eiichi Shibuya)
全国の大学病院、各自治体病院、全国自治体病院協議会、全日本病院協会等においてセミナー、研修会を多数実施。また、医療福祉大学大学院において、診療情報アナリスト養成分野にて非常勤講師として「診療報酬概論・演習」の講義を担当、平成25年4月で6年目を迎える。現在、株式会社ニチイ学館医療関連事業統括本部事業部事業推進課課長、国際医療福祉大学大学院非常勤講師。

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株式会社メディ・ウェブ内 クリニック院長セミナー運営事務局 担当:石井、佐竹


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