医療業界にクラウドの普及が求められる背景や市場規模とは?

医療業界にクラウドの普及が求められる背景や市場規模とは?
クラウドという言葉をご存知でしょうか? ICT(情報通信技術)の発達により、クリニックなどの医療現場でも年々IT導入が進んでいます。特に近年はクラウドを活用した様々なサービスが提供されています。本記事では、クラウドのメリットや求められる背景(事例)に始まり、今後の医療分野におけるクラウドサービスの市場動向について紹介します。

クラウド活用の5つのメリット

クラウドは、従来であれば自分たちでCDなどからインストール(やダウンロード)していたパッケージソフトなど(例:インストール型会計ソフト)と異なり、インターネットを介していつでもウェブサービスにアクセスできる状態を意味します。

今までの形式では非常に高額にならざるを得なかったソフトウェアなどはクラウド化することで非常に低コストで導入することが可能になりました。一般的にクラウドには様々なメリットがあると言われていますが、下記に一例を記載いたします。

  1. インストール不要かつ院内のPCやタブレットを利用して低コストで導入が可能
  2. PCの容量に関係なくデータが保存できるサービスが多い(データ損失が少ない
  3. ITの知識があまりなくても利用できる
  4. 端末を越えて同様のサービスを利用できる
  5. データを複数の機関でも容易に共有できる

医療業界にクラウドが求められる背景

IT業界を皮切りに様々な業界でクラウドの導入が進んでいますが、医療業界にも同様の流れが生まれてきています。先のメリットにコスト面を挙げましたが、今までの医療システムは専門性の高さなどが原因でどうしても価格が高くなってしまい、なかなかクリニックでのシステム導入が進みませんでした。

しかし、クラウドやデバイス(スマートフォン・タブレット)の進化により、様々なシステムの安価な導入が可能になりました。また、高齢者層の増加や医者一人あたりの対応可能数増加のためには、医療現場の効率化が必要不可欠なことからも、便利な医療・診療スタイルを実現するためのクラウドアプリケーションなどに注目が集まっています。

少し前の事例になりますが、先の東北大地震の際にもクラウドを利用した電子カルテシステムが活用されました。石巻・気仙沼地域で70施設以上が参画し、患者一人一人のデータを複数の医療機関で共有し、過去の治療歴などが医師間で簡単に活用できるようになりました。

このように、患者のデータベースなどがクラウドでつながればつながるほど、医療従事者にとっては蓄積された情報を活かした治療が提供できるようになることが期待されています。

参考:被災地で始動、未来の地域医療「クラウドカルテ」:日本経済新聞

また、キヤノン株式会社は、2015年4月14日に医療施設向けにCTやMRIの画像データなどをクラウド上で大量に管理できるサービスを発表しました。これはCTやMRIなどの性能が進化するにつれてデータ容量が増えていくこともあり、大量のデータを安価に保存できるクラウドへのニーズの高まりが背景としてあります。

参考:キヤノン、医療分野で新商品・サービスなど相次ぐ | ZUU online

医療業界におけるクラウドシステムの市場規模と今後の傾向

クリニックの現場にはまだまだ縁遠い話に思えるかもしれませんが、2014年時点でも医療分野のクラウドサービス市場規模はおよそ180億円に達し、10年後の2024年には約10倍の1800億円規模にまで成長すると予測されています(株式会社シード・プランニング調べ)。この市場の成長を主に牽引するのはクラウド型の電子カルテサービスで、続いて先のキヤノン社が提供するような画像管理クラウドサービスが伸びていくと予想されます。

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