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RPAの医療分野での可能性

2019年3月7日 at 2:19 PM

近頃、IT業界やビジネス系のメディア等で、RPA(Robotic Process Automation)という言葉をよく見るようになりました。しかしながら、いまのところ医療の世界ではあまり聞き馴染みがなく、ほとんどの人が初めて聞く言葉かもしれません。そこで本稿では、少し時代を先取りして、医療分野における今後のRPAの可能性を考えてみます。

生産性向上の手段としてRPAに注目

 RPAとは、「これまで人間が行ってきた事務作業の一部を、ロボットを使って自動化する取り組み」です。ロボットというと、映画に出て来るアンドロイドのようなイメージがあるかもしれませんが、ここでいうロボットはそのような見た目ではありません。パソコン上で行われる仕組みのことで、概念としてのロボットという言葉になります。

 現在労働人口の減少が大きな問題となっています。その解決策として、労働力の有効活用や生産性を向上させるための方策が、国会をはじめ様々な場所で議論されています。このような背景のもと、従来よりも少ない人数で高い生産能力を発揮する手段として、いまRPAに注目が集まっているのです。

RPAは3段階、いまは1段階目

 RPAには3段階の自動化レベルがあると言われます。クラス1というレベルは、定型業務をロボットに置き換えます。現在のほとんどのRPAの実績はこのクラスになります。クラス2は、AIと連携して非定型業務でも一部は自動化されます。そしてクラス3は、より高度なAIと連携することで、業務プロセスの分析や改善だけでなく意思決定までを自動化できるようになる、としています。

 RPAはいまのところ、従来ホワイトカラーが行ってきた大量の事務作業を処理するのに適しているとされており、銀行など金融機関が先行して導入しています。ロボットは一度覚えた方法を正確に間違いなく実行できます。それも24時間365日行えるのです。ロボットはいくら働いても、「疲れた、休みをくれ」といった不満は言いません。システムが壊れない限り、黙々と同じ作業を続けることが可能なのです。

自動精算機で入力間違いや釣銭間違いを防止

 医療の世界でもいくつかのRPAに近い取り組みが始まっています。例えば、電子カルテ(レセコン)とつないで自動的に精算業務を行う自動精算機は、RPAとまではいかないとしても、自動化の流れで出てきたシステムと考えてよいのではないでしょうか。従来は、電子カルテに入力された情報をレセコンが診療報酬点数に置き換え、患者の自己負担額を計算していました。その後、ほとんどの医療機関では、その金額を見ながらレジスターに入力し、精算業務を行っていました。電子カルテに連動した自動精算機を導入すると、これらの業務が自動化され、患者自らが診察券を入れるだけで本日の負担額が表示され、お釣りも自動で出てきます。入力間違いや釣銭の渡し間違いはなくなるのです。

RPAで自動的に統計データを作成

 また、多くの医療機関では経営に必要な統計データをエクセルなどを使って定期的に算出しています。人間が行う場合の一般的な流れは、電子カルテからCSVでデータを抽出し、これをエクセルなど表計算ソフトで加工、グラフなどで表示させるという作業です。この業務もRPAを使うことで、毎日自動的に欲しいデータのグラフが定型のフォーマットで作成可能になります。最近は、新たに電子カルテを導入する医療機関で要求仕様書(RFP)を作る際、「自動的に統計データが算出できること」という項目を盛り込むところも多くなりましたが、こういったニーズもRPAへの流れの一部といえるでしょう。

レセプト点検、レセプト請求でのRPAの活用

 将来的には、レセプト請求においてもRPAが活用できるのではないかと考えます。毎月決まった時期になると、自動的にレセプトチェックを行い、問題点を修正し、正しいレセプトを作成し、それを請求するといったことが実現できるようになるのではないでしょうか。この作業にAIが加われば、過去のレセプトの返戻・査定状況を分析し、地域性や個別性を配慮した対応が可能になるかもしれません。この事象については、まだ始まっていませんので、あくまで将来の可能性としてあげておきます。

 このように、RPAは医療の分野でも十分に活用が可能な技術です。現場で日々作業を見ていて非効率だと思っていることこそ、RPAが得意としています。RPAに事務作業を担わせることで、本来ヒトが行うべきことに集中できるようになれば、医療の質向上に資することが可能です。今後の医療分野のRPA進展に期待しています。

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