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クリニック経営の成否を左右する「患者満足度」と「患者満足度調査」とは?

2015年8月25日 at 2:33 PM

クリニック経営の成否を左右する「患者満足度」と「患者満足度調査」とは?
「患者満足度」という言葉は、周知の通り一般の企業やサービスで用いられる「顧客満足度」から来ている言葉です。「顧客満足度」は「CS(Customer Satisfaction)」とも言われますが、同様に「患者満足度」も「PS(Patient Satisfaction)」とも表されます。

医療行為と、一般企業の商品やサービスの価値自体を同じように判断できるではありませんが、一方で、患者さんに治療に協力してもらうには、患者さんの不満と不安を取り除き、心を開いてもらわなければなりません。その意味で、病医院が持っている力を100%発揮するために、〝患者サービス〟の概念が必要であり、患者満足度は、医療行為がその目的を達成するためには無視することのできない重要な指標だと言えます。

また一方で、患者満足度はクリニック経営にとっても大変重要です。患者満足度は、患者さんのリピート率に対してだけでなく、口コミやコスト面への影響も大きく、クリニック経営へのインパクトは計り知れません。

患者満足度の定義とその重要性とは?

明確な定義が存在するわけではないのですが、本サイトでは、「受けた医療やクリニックでの体験に対する患者さんの総合的な評価」としています。

難しい時代を生き抜くうえで、当社には疑いないようなく、はっきりとしている重要な経営指標があります。それが「顧客満足度(CS)」です。ゲスト(顧客)の満足度が向上すれば、来園頻度が高まり、入園者数が増えます。売上高や利益といった数字は自然についてきます。

砂山起一 氏:株式会社オリエンタルランド副社長

ではなぜ今クリニックの経営において患者満足度調査が重要なのでしょうか? ディズニーランドを運営するオリエンタルランドの砂山さんの言葉を参考に、改めて考えてみましょう。

日本では、競合クリニックの増加や診療報酬の抑制など、クリニックの経営環境は年々厳しさを増しています。一方で、患者の志向や要求は多様化しており、「患者本位の医療の実現」が迫られています。患者さんの視点に立つと、「少しでも安心して、自分に合う治療をうけられる場所」へのニーズが高まるのは必然でもあります。

クリニックにもレストランや企業同様に、厳しい消費者の目線が向けられる「患者が病医院を選ぶ時代」となりつつあるということでしょう。砂山さんの言葉にあるように、患者満足度は、クリニック経営においてもリピート率や売上高・利益に直結する重要な経営指標になっています。

質の高い医療行為の提供はもちろんですが、患者満足度を向上させるサービスや取り組みが、クリニック経営の成功に欠かせなくなってきていると言えるでしょう。

どのような手法で患者満足度を計測するのか?

患者満足度調査を実施する場合の計測手法にはどのようなものがあるのでしょうか。集計後に統計的な処理を行えるよう、数値評価を基本としたアンケート調査が使用されるケースがほとんどのようです。

タイミングとしては、来院時の会計待ちの時間などに記入してもらうのがスムーズです。また、実際にデータの収集を開始すると、集計の手間が発生します。データ処理にスタッフの時間を割きたくない場合は、患者満足度調査用のシステムを利用すると簡単にデータが確認・集計できるので便利です。

楊が経営するスマイル眼科クリニック(横浜市青葉区青葉台)でも、継続的に患者満足度調査を行っています。スマイル眼科クリニックの場合は、たとえば4月は第1週、5月は第2週とスライドさせる形で患者満足度調査を実施する週を決め、毎月1週間、できるだけすべての患者さんにご協力いただく方向で、会計待ちの際にiPadをお渡しし、調査を実施しています。

【参考】iPad・タブレットで効果の高い患者アンケートを簡単導入|Bee患者満足度調査

患者満足度をクリニック経営に活用するポイント

次に、患者満足度調査がどのようにクリニック経営に活用できるかを確認していきましょう。

1.医師やスタッフの業務の振り返りでモチベーションアップ

調査を行うと、患者さんからのフィードバックを日々確認し、すばやく改善策を実行できるようになります。医師はもちろんですが、スタッフも、自分の仕事が患者さんにどういう印象を与えているかを客観的に振り返ることができます。

患者さんからのコメントはまさしく「顧客の声」です。感謝の声を受け取った場合はもちろんですが、改善策や対応策を一緒に考えることで、スタッフのモチベーションを引き上げることも効果的です。

顧客満足度のカギを握るものは何か。それは「目に見えない価値」です。様々な場面で、ゲスト(顧客)が出会う従業員のホスピタリティ(もてなし)が見えない価値の源泉です。ゲスト一人一人の心に残る共感や好感度は、後々まで残ります。

こちらも同じく砂山さんの言葉ですが、スタッフによる患者さんへのサービスも目に見えないものがほとんどです。定期的に患者満足度調査をスタッフと共有することは、その「目にみえない価値」の見える化を行い、モチベーションとホスピタリティの向上に貢献します。

2.継続的な活用で、院内サービスの向上や低下を把握するきっかけに

また、各調査項目を継続的にモニタリングすることで、満足度の向上や低下をすぐに把握することが可能です。特に、満足度の低下に気づくことは、短期的・長期的に患者離れを防ぐための重要なポイントになります。

満足度が低下している場合は、何が原因で、どの部門(受付、医師、または医療スタッフ)の、どのような内容(設備面などのハード面、または、対応面、医療の質、待ち時間や診察時間などのソフト面)と相関しているかを確認し、すぐに対応策を練りましょう。

【参考】自由記入欄も驚きの回答率。若い患者さんが多い小児科には手放せません。| 達人に学べ!3Bees活用術(5)増山宏明先生(横浜こどもクリニック)

患者満足度はスタッフ全員で取り組むべき重要指標

患者満足度は、クリニックの売上・利益に大きな影響を与えます。クリニック全体で改善に取り組むためにも、患者満足度調査を行う際には、クリニック内の医師・スタッフ全員で調査結果を共有してみてはいかがでしょうか。




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