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クリニック経営者にとっての悩みのタネ、「スタッフの離職」の注視すべき4つのサイン

2016年8月2日 at 10:00 AM

スタッフ離職の注視すべき4つのサイン

クリニック経営において、スタッフの離職は頭の痛い問題です。特に、普段の業務中は医師が診察にかかりきりになることも多いため、離職を検討し始めているスタッフが出すサインに気づくことが遅れがちです。

優秀なスタッフや経験豊富なスタッフが抜けてしまうと、代わりのスタッフを雇うために大変なお金と時間と労力がかかるだけでなく、個別の患者さんとのコミュニケーションや行き届いた診療を行う上で重要なカルテには書かれていない情報をクリニックが失うことになり、患者サービスの質が低下することにつながります。また、新たに採用できたとしてもそのクリニックのスタッフとして仕事を熟知するまでには長い時間がかかり、その間、他のスタッフの負担が増えるだけでなく、サービスの質が低下したり、待ち時間が増えるなど、患者さんの満足度にもネガティブな影響が出やすくなります。スタッフの離職は、まさに、経営を直撃する大きなダメージと言えるでしょう。

今回の記事では、限られた交流や普段の業務の中で見極めやすい、スタッフ離職の4つのサインと対処法についてご紹介します。

サイン1: スタッフ同士での会話や医師とのコミュニケーションが減る

普段から物静かなスタッフはこの限りではありませんが、今まで楽しそうに他のスタッフや医師と会話していたにも関わらずコミュニケーションが減るのは、退職を考えている際に起こりがちな傾向です。

周囲との調和を大事にする方であればあるほど、退職を考える際には「申し訳ない」という気持ちが強くなり、ついつい話をすることを避けてしまいがちです。「あれ? 最近あの人と話さなくなったな」「話しているところ見かけなくなったな」と思ったら要注意です。

サイン2:急に仕事に対して積極性がなくなった

今までは積極的に仕事を引き受けてくれていたのに、仕事に対して受け身の状態になってしまっているスタッフは退職を考えている可能性があります。その中でも、

  • もうやめるからまあいいや
  • やめるのに引き受けると後々迷惑をかけてしまう

という考え方の違いもあるので要注意です。後者の場合は、本人にとっても心苦しい部分があるので、積極的に会話などして退職時までサポートや引き継ぎをしっかりとやってもらう必要があります。

一方前者の場合は、まずは早々に面談の機会を設けてヒアリングをしましょう。もし、何かしら不満があり、仕事への意欲を失っているなら、まずはそのスタッフの不満の根源に何があるのか話を聞き改善策を講じるなど、速やかに建設的な対応を行うよう心がけます。

また、退職を決めてしまっている場合には、退職時期を明確にして公表するなどの対応が必要になります。周囲のスタッフが「あの人は手を抜いているが許されている」と判断すると、モチベーションや業務効率に影響を及ぼす危険性があるため、できるだけ迅速な対応を心がけましょう。

サイン3:勤務時間が短くなり、休みがちになる

これは一般企業でもよくあることですが、やはり「来ない」というのは退職・転職を考えている際によく起きる現象です。特に、有給を消化しがちになるのは転職準備の可能性も高いので、勤務表などは定期的にチェックするようにしましょう。

もちろん、「資格を取るために学校へ通う」場合なども勤務時間に変更がでますし、趣味の時間や家族との時間を確保するための場合もあるので、さりげなくヒアリングをするようにしましょう。

サイン4:不平・不満を言わなくなった

不平・不満を言うことも離職の兆候になる可能性はあるのですが、不平や不満を言ってくれている間は改善できる可能性も大いにあります。しかしながら、今まで面談の場や現場で不平・不満を漏らしていた人が急に静かになったら、

  • 不平不満の原因が解消された
  • 諦めて転職・退職することにした

という場合がほとんどです。言わずもがなですが、後者の場合は早急に手を打たなければ手遅れになる可能性が高くなります。基本的には、不平不満が表面化している間に適切な対応を取ることが望まれますが、不平不満を口にしていたスタッフが何も言わなくなったらもう猶予はありません。その意味では、不平不満が出てくることより、出ていた不平不満が出てこなくなることの方が怖いとも言えるでしょう。

特に、不満→退職という流れは、他のクリニックに転職した際やスタッフ仲間への負の口コミが発生する可能性が高く、新規雇用や他のスタッフのモチベーションダウンにもつながりやすくなりますので注意が必要です。

しっかりとコミュニケーションを図る仕組みを設けよう

いかがでしたでしょうか。スタッフの離職は、冒頭でも述べたとおり、クリニック経営の大きな課題のひとつであり、適切に対応することがクリニック経営の安定にもつながります。
代表的な4つのサインをご紹介しましたが、こうしたサインにいち早く気づくためには、たとえば1ヶ月に一度は各スタッフとの面接の時間を設ける、普段から意識的にスタッフとの雑談の時間を確保し、気になることがないかを聞くようにする等、これらのサインを察知できるような基盤を築いておくことが重要です。
こうした基盤を築いておくことで、離職のサインに気付きやすくなるだけでなく、不安や不満がある場合にスタッフに相談してもらいやすくなり、離職率を低下させることも期待できます。また、たとえスタッフの離職をとめることができなくても、早い段階で別のスタッフが兆候に気づいて相談してくれるなど、早い段階で離職の意志を把握し、策を講じることができるようになります。

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