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クリニックで予約システムを導入・活用するためのポイントとは?

2016年9月1日 at 11:50 AM

クリニックで予約システムを導入・活用するためのポイント

予約システムを導入するクリニックは年々増加していますが、クリニックには予約制が向いていないと考える先生方もまだまだいらっしゃいます。しかし、一口に「予約システム」と言っても活用の幅は意外に広く、予約システムの特性とメリット・デメリットを理解した上で、「いかに自院に合った予約スタイル、予約システムを採用するか」という視点を持ちながら予約システムを検討する必要があります。そこで、本稿ではクリニックにおける予約制の特徴や運用のポイントなどを実際の予約システムの活用事例を交えてご紹介します。

クリニックが予約制を導入するメリットとは?

本題に入る前に、本稿における「予約」について定義したいと思います。本稿での「予約」は、日時を指定するいわゆる「時間予約」のことです。小児科等に普及しているいわゆる「順番取り機能」(「当日順番予約」と呼ばれることもあります)については本稿では触れず、後日別の記事でご紹介したいと思います。

さて、クリニックにおける予約制導入のメリットとしては、

  1. 患者さんの不満の多い「待ち時間」を短縮する
  2. 再受診率を向上する
  3. 患者数の平準化を促す

ことがあげられます。

※主な待ち時間対策、患者数の平準化に関する詳しい解説は、上記リンクの記事でご紹介していますので、ぜひお読みください。

さらに、オンライン予約を導入することのメリットとしては、下記の2点が加えられます。

 4. 休診日や夜間等も予約を受け付けられる
 5. スタッフの電話対応の負担を大幅に軽減できる

自院の診療にフィットした予約システムはどのように検討すべきか?

では、上記のメリットをクリニックの診療や経営に存分に取り込むことができるような、予約システムは、どのように検討していけばよいのでしょうか。

まず、大前提として、「予約制を導入するからと言って、すべての患者さんを予約診療にする必要はない」ということを抑えていただきたいと思います。診療科や立地、その他の条件によってはいわゆる完全予約制でうまく診療やクリニック経営が回っていくケースもあるかと思いますが、多くの診療科では、完全予約制による診療はあまり現実的ではありません。

私の専門であります眼科でも、経営的には少なくとも1日に40-60人の患者さんを診察する必要があり、また、急な症状の変化等で受診されるケースが少なくないため、中心はあくまで予約ではない「非予約」の患者さんということになります。

こうした前提を踏まえ、自院の診療にフィットし、かつできるだけ予約制のメリットを享受できるような予約のスタイルを検討していく必要があります。

先にご紹介した予約制のメリット1点目の「待ち時間の短縮」、2点目の「再受診率の向上」、4点目の「24時間予約を受け付けられる」ことについては、ここで改めて解説するまでもないかもしれませんが、「待ち時間」に対する患者さんの不満は大変大きいこと、また、医院間の差別化や、「予約でないと受診できない」「予約でないと受診したくない」忙しい患者さんの増加を考えた時、予約制を導入していないことで失われる患者さんが少なくないことは、抑えておくべきでしょう。

また、5点目の「スタッフの電話対応負担の軽減」については、私自身、非常に大きな効果を実感しているところです。私が経営するスマイル眼科クリニックでは、今年約800件のインフルエンザ予防接種の予約をすべてオンラインで行いました。当院は、横浜市青葉区青葉台に位置し、患者さんが比較的若く、スマートフォンやPC等を普段から使用されている患者さんの割合が多いことも手伝っているかと思いますが、ごく短期間に800件の予約の電話対応をゼロにできたことは、スタッフの負担軽減の意味でも、診療をスムーズに行う上でも、経営的にも大変助かりました。

予約システムを活用した、「患者数の平準化」のポイントとは?

患者数が平準化されると、先にご紹介したこちらの記事でもご紹介した通り、ストレスなくスムーズな診療を行いながら、多くの患者さんをしっかりと診ることができる、非常に効果的なクリニック運営を行うことができます。

それでは、どうすれば予約システムを活用して患者数の平準化を促すことがでできるのでしょうか。

ポイントは、予約枠毎の予約可能な人数を上手にコントロールすることです。
たとえば、スマイル眼科クリニックでは、30分あたりの予約可能な人数を1名に設定しています。予約患者、非予約患者双方の満足度を担保するためには、予約患者をある程度時間通りに診察することができ、非予約患者もコンスタントに診ることができるバランスが重要です。そのベストなバランスが、当院の場合は30分あたり予約患者1人というわけです。

その上で、予め患者数が少ないと予想される時間帯(当院の場合、集計した過去の患者数に基づいて予測患者数を算出しています)は、予約できる患者数を少し多めに設定しています。患者さんに予約患者優先であることが認知されてくると、時間的余裕のある患者さんや、お忙しく待ち時間を少しでも減らしたいと考える患者さんは、予約を利用するようになります。

このように、患者さんを予約システムを通じて空いている曜日や時間帯に誘導することで、患者数が平準化され、結果的に、より多くの患者さんを受け入れ、かつよりスムーズでストレスの少ない診療を実現することができます。

自院に合った予約システムの導入と運用方法の模索がポイント

クリニックにおける予約制は、こうすると必ずうまくいくというレシピや正解はなく、それぞれのクリニックの混雑する時間帯や患者さんの予約傾向によって、フィットする予約システムや運用方法は様々です。

実際に予約システムを検討される際には、これまでご紹介してきたポイントを踏まえて、自院で実現したい運用方法を明確にした上で、

  1. 時間あたりの予約可能人数の調整が可能か
  2. オンライン予約が可能か
  3. オンライン予約はスマートフォンや携帯に対応しているか
  4. 予約の際に項目や担当医を選択する機能があるか
  5. リマインドメールを送れるか
  6. レセコンとの連携は可能か
  7. 専用端末は不要か
  8. 少ない操作でスムーズに処理ができるか

等のポイントで、予約システムを検討されるとよいでしょう。

ぜひ、予約システムを活用し、自院の診療スタイルに合った運用方法を模索しながら、より快適な診療業務を実現していただければと思います。

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