改めて、診療所経営の話をしよう(4)- コロナ禍での情報発信 LINEと予約、問診の連携

 コロナ禍で感染の恐怖から受診控えが進み、なかなか新規患者が増えない状況では、「再来患者」に注目する必要があります。過去に一度でも来院したことのある患者が、再び来院していただけるかは、「患者とクリニックとの関係性」にかかっています。関係性が高ければ高いほど、再受診の確率は高まっていきます。
この関係性を継続的に高めるためには、定期的にクリニックからメッセージを送れるようにする必要があります。メッセージの内容は、例えば、医師の変更や診療時間の変更、予防接種の案内、新しい医療機器の導入など、クリニックから発信することはたくさんあるでしょう。

LINE公式アカウントの活用

クリニックから定期的に情報を発信するためには、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の活用が有効です。SNSはホームページのように、患者に検索エンジンから来てもらうのを待つメディア(プルメディア)ではなく、患者に自らプッシュ的に情報を発信できるメディアです。
スマイル眼科クリニックでは、わが国で最も利用が多い「LINE(約8300万会員)」を活用しています。2018年からLINE公式アカウントを立ち上げ、お友達登録の募集を開始しました。過去の登録者数の推移をみると、最初のうちは月に100件行くか行かないかで、それほど増えませんでした。そこで、スタッフの中からLINE担当者を任命して、お友達の登録から集計にいたるまでを担当してもらったのです。その際に、なぜ登録者を増やす必要があるのか、増えるとどんな世界が生まれるかをしっかりと説明しました。この担当者にモチベーション高く仕事をしてもらうという話は、次回お話ししようと思います。
担当者を決めたこと、そしてコロナ禍の巣ごもりなどによるSNSの利用が増えたことなどの影響もあって、2020年4月から増加カーブは上昇に転じ、月に500件を超える登録数となりました。現在では、5,000を超える登録者に成長しました。5,000を超える患者に一斉配信ができるようになったのです。

LINEと予約、問診の連携

LINEは、主に①情報発信②予約③問診の3つの機能を担っています。「情報発信」は5,000件を超える登録者に「LINE限定の情報」を定期的に配信しています。また、「予約」では予約システム(3Bees)と連動して、LINEから直接診察予約ができるようにしています。当院はコロナ禍で完全予約制にしたため、LINEから次回の予約をとるという流れは、待合室での「密」を避ける行動に大きくつながっています。
また、「問診」については、「初めての方の問診」と「再診問診」に分けて入力できるようにしています。来院する前に問診をとることで、クリニックの滞在時間の短縮に大きく貢献しています。さらに、この問診には、「来院動機」も必ず入力してもらえるようにし、来院経路を明確にし経営に生かしています。
このように、LINEは情報発信だけではなく予約、問診といった患者の利便性を向上させるシステムと連携することで、患者が「登録する価値(インセンティブ)」を高めています。

LINE公式アカウントの立ち上げ

LINE公式アカウントは誰でも立ち上げは可能です。立ち上げる担当がいなかったり、なかなか時間がない場合は専門の業者に頼んでも良いでしょう。
LINE公式アカウントの新規開設には、リッチメニュー(予約や問診、診療時間案内など)の設定や各種初期設定(プロフィール、挨拶メッセージ、応答メッセージなど)が必要です。設定が完了したならば、お友達募集のチラシやポスター、ホームページ上で告知を行います。来院した際にできるだけ多くの方に登録していただけるように、全スタッフが意識してご案内することも大切です。
LINEを開設すると、お問い合わせが増えるのではないかと心配される方もいらっしゃいますが、LINEの機能でお問合せを受け付けないようにする機能もありますので、ご心配ありません。
LINEを活用することで、患者がリピートする流れが出来上がり、リピート率の向上につながっています。SNSなど患者との関係性を良化するツールを活用することは、診療所経営において大切な戦略となっています。

(次回に続く)

 

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