耳鼻咽喉科クリニックが予約システムを活用する際に押さえておきたい3つのポイント

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近年、予約システムを導入するクリニックが増えていますが、その活用方法は様々です。予約システム導入の効果を最大限引き出すためには、診療科の特性に合わせた運用と継続的な改善が欠かせません。そこで本稿では、耳鼻咽喉科クリニックにおける予約システムの活用方法についてご紹介します。

まず、前提となる予約システムの活用方法の基本については、下記の記事をご参考にしていただければと思います。

【参考】クリニックで予約システムを導入・活用するためのポイントとは?

耳鼻咽喉科クリニックにフィットした予約システムの活用方法を検討する前に、まず、耳鼻咽喉科クリニックの特徴を整理してみましょう。 耳鼻咽喉科クリニックの特徴としては、下記の3点があげられます。

  • (1)患者数が多い
  • (2)若年層の患者が多い
  • (3)一人あたりの診療時間は短め

今回は、上記の耳鼻咽喉科の特徴を踏まえ、同時に、医療機関の悩みの種のひとつである診療待ち時間を解決する視点も加えて3つのポイントをご紹介したいと思います。

<ポイント1>待ち順番表示で、患者様の待ち時間ストレスを軽減する

先ほど述べた通り、耳鼻咽喉科は患者数が多く、一人あたり診療時間が短めの診療科です。厚生労働省による平成26年度の医療施設調査によれば、耳鼻咽喉科の無床診療所における1日あたりの平均患者数は65.0人となっており、これは整形外科に次ぐ数字です。

厚生労働省:平成26年度医療施設調査より作成

図1 診療科別の1日あたり患者数推計

耳鼻咽喉科では、季節や曜日、時間帯により患者数が非常に増える場合があります。結果的に、患者様は混雑する待合室で長時間待つことを強いられ、自分があとどれくらいで呼ばれるかも分からないため、ストレスを感じます。受付スタッフは、患者様からの「あと何人くらいですか」といった問い合わせにその都度対応しなければならず、業務負担が増大するでしょう。このようなケースでは、院内の待合室に「待ち順番」を表示することで、待ち時間に対する患者様のストレスやスタッフの業務負担を軽減できます。

また、たくさんの患者様がお待ちになるということは、待合室だけでなく駐車場や駐輪場などのスペースも混雑します。自動車を停めるスペースすらないとなると、受診を諦める患者様も出てくるでしょう。予約システムの中には、院外からスマホや携帯電話等で待ち人数や待ち時間の目安を確認できるような機能を備えているものがあります。この機能を使うと、患者様は自分の順番が来るまで院外で待ち時間を有効に使えるため、実質的な待ち時間が減ることになり、さらに利便性が増します。待合室や駐車場にもゆとりが生まれ、先ほどの駐車場の問題も軽減できるでしょう。このほか、診療をスムーズにしたりする効果が期待できます。

<ポイント2>順番取り(順番予約)で、待ち時間を短縮し診療を効率化する

耳鼻咽喉科は、1日の患者数が多く、予約制を導入したとしても時間通りに診察を行うのは難しいため、日時予約ではなく順番取り(順番予約)が好まれる傾向にあります。
順番取り(順番予約)を導入する際の一つのポイントとなるのが、その受付方法です。代表的なものとしては以下が挙げられます。

  • (1)院内の窓口で受け付ける
  • (2)電話で受け付ける
  • (3)インターネットで受け付ける

(1)は、最も基本的な方法ですが、患者様は一度クリニックまで出向かなければ順番を取ることができず、特に仕事や子育てに忙しい世代にとっては不便に感じられることもあるでしょう。

(2)は、患者様がクリニックに出向くことなく予約できるので便利ですが、その分クリニックの電話対応の負担が増えてしまうというデメリットも生じます。

(3)は、インターネットで番号札を取れるようにするもので、「オンライン順番取り」と呼ばれることもあります。患者様はスマートフォンなどで簡単に予約を取れるようになりますし、受付はシステムが自動的に行ってくれるので、スタッフの負担も大きくありません。若年層の患者様が多い耳鼻咽喉科の場合は導入のメリットが大きいといえます。

PCやスマートフォンでの操作が必要なため、ご高齢の患者様が使いづらいなどの課題もありますが、ご高齢の患者様が診察開始前に来院して待っていることが多いクリニックでは、あらかじめ直接来院されて待たれている患者様用に、例えば最初の1〜10番までを院内用におさえてしまう等の工夫をされているケースもあります。

<ポイント3>順番取り(順番予約)の運用時間を工夫する

耳鼻咽喉科は、曜日や時間帯により患者層が異なることもめずらしくありません。例えば、午前中は高齢者中心で、午後から夕方は、幼稚園や学校が終わった後の園児、小学生などが増えるケースです。お子さんの来院は、お母さんが連れていらっしゃるのが一般的ですので、スマホ操作によるオンラインからの順番取り(順番予約)は受け入れられやすいサービスといえるでしょう。このような場合、午前中はオンラインでの順番取りの受付を行わず、午後診療の時間帯のみオンラインで順番取りをするという運用もおすすめです。

また、現在の待ち人数(混雑状況)をホームページなどに掲載すれば、患者様自身が「空いている今のうちに行こう」、「今は混んでいるから少し後にしよう」と判断できるので、結果的に患者数の平準化も期待できます。同時に、混雑状況に関する電話でのお問合せも減ることになります。

このような形で順番取り(順番予約)を導入することで、耳鼻咽喉科のような患者数が多い診療科でも、患者様の利便性と満足度を向上することが可能になります。

おわりに

いかがでしたか。上記はあくまでも一例となりますが、予約システムの導入や活用をご検討されている耳鼻科クリニックの先生の一助となれば幸いです。また、冒頭でもご紹介しましたが、下記の記事でも予約システムの導入・活用する際のポイントについてご紹介しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

【参考】クリニックで予約システムを導入・活用するためのポイントとは?





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