令和4年度診療報酬改定に向けて何を準備すれば良いのか

 

令和4年の診療報酬改定に向けて議論が行われています。そこで、今回は外来医療の改定に焦点を当て、「中間とりまとめ」をもとに、今後の方向性を探ります。改定内容が決まってバタバタしないように、いまから体制整備の検討材料としていただければ幸いです。

中間とりまとめ

 2021年9月15日に行われた中医協では、改定に向けて「中間とりまとめ」が公表されました。中間とりまとめは今後の改定の基礎となる内容のため、改定を先読みするためにしっかり理解することが大切です。
 外来医療については、①かかりつけ医機能・医療機関連携②生活習慣病対策③外来機能の分化の推進④オンライン診療―が主な課題項目として挙げられています。

かかりつけ医機能を発揮するための整備が進む

 これまでかかりつけ医機能の評価として「地域包括診療料・加算」や「機能強化加算」などが新設されています。また、前回のの改定では、かかりつけ医から専門の医療機関への紹介を評価した「診療情報提供料(Ⅲ)」が新設されています。
次期改定では、「かかりつけ医は予防や健康づくり、治療、専門医療機関への紹介、終末期医療への対応も含め、地域の医療・保健福祉の中心となっていく必要がある」とし、かかりつけ医の機能をさらに明確にし、かかりつけ医のための研修制度や、診療情報提供料(Ⅲ)の拡大、新たに「看護情報提供書」の評価などが検討されています。ちなみに、看護情報提供書とは、看護師が作成する情報提供書で、転院先や訪問看護ステーション、ケアマネジャーや行政機関等で現在活用されている実態を踏まえて、評価の検討が始まっています。

生活習慣病管理料の見直しで算定増に転じるか

 「生活習慣病管理料」については、近年算定回数が減少傾向にあることが問題視されており、点数設定の見直しやカルテ及び療養計画書の記載の簡素化などが議論されています。今回の改定で、クリニックにとって算定しやすい仕組みになれば、算定回数は増加に転じるため、どんな内容になるか期待したいところです。
また、慢性疾患患者に対する看護師による「療養指導」についても、専門性の高い看護師による再入院率の低下や緩和ケアの推進などに貢献しているとし、その実態を踏まえて評価が検討されています。慢性疾患については、看護師の関与が大きく、それを正当に評価することで、外来における指導の充実につながると期待されています。

定額負担の範囲拡大で紹介状が増加する

 大病院への患者集中を緩和するため、過去の改定で「紹介状なし患者の定額負担」の導入が行われており、その範囲が次期改定でどこまで拡大するかが争点となります。昨年12月に閣議決定された「全世代型社会保障改革の方針」では「一般病床 200 床以上の病院にも対象範囲を拡大する」ことが方針として出されており、対象病院の増加が予想されます。
現状の対象病院が全病院の8%程度であるのに対し、200床以上の一般に範囲が広がると、16%にまで拡大します。今後は、診療情報提供書等の書類作成がクリニックや中小病院で増えることが予想されるため「クラークによる代行作成」や音声入力などICTの活用を検討する必要があるのです。コロナ禍で患者による選別が強まっており、書類作成のスピードアップは患者満足につながると考えます。

オンライン診療、規制緩和を進められるか

 コロナ禍で大幅に規制が緩和された「オンライン診療」ですが、初診からの利用や対象疾患の制限緩和、時限的な加算などを、どこまで点数に組み込んでいけるかが争点となります。もともとは生活習慣病など慢性疾患の継続フォローや在宅患者のフォローを想定していたオンライン診療は、コロナ禍でほとんど制限なく利用ができることで、大幅に利用件数を伸ばしています。これらの実績を踏まえて、オンライン診療をさらに普及したいと考える政府がどこまで現場の安全性や営利性へ懸念を整理しながら、規制緩和に踏み切れるが注目が集まるところです。
クリニックにとっては、外来診療をしながらオンライン診療することになり、そのバランスが難しいところです。外来とオンラインはあくまで補完関係であり、コロナ禍で要望が拡大している状況では、オンライン診療を進めるという考えではなく、受診しやすい環境を整えるために、受診の選択肢を広げるという考えで検討していただけばよいと思います。

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